喫煙する妊婦

今回はタバコによる子供への悪影響についてです。

【女性と喫煙】
女性の喫煙は、男性の場合よりも影響が深刻です。
思春期にタバコを吸い始めると、肺の成長が阻害されてしまいますが、
これは女性のみに現れる傾向があります。

下記は、タバコが胎児に影響を与えるメカニズムです。

1、ニコチンの血管収縮作用のために、
母体から胎児へ渡れる血液量が少なくなります。
それにより、胎児に酸素と栄養が十分に与えられなくなります。

2、タバコの煙に含まれる一酸化炭素が体内の中に入ると、
血液中のヘモグロビンと結合してヘモグロビンが酸素を運ぶのを邪魔します。
その結果、血液を低酸素状態にします。それにより、胎児も低酸素状態になるのです。

妊婦が煙草を吸うたびに、
胎児はビクンと一瞬呼吸が止まり窒息状態になります。

そのため、死産、早産、自然流産、奇形児や低体重児出産の可能性が高くなります。

喫煙者と非喫煙者の妊婦では、
早産は約3倍、低体重児は約2倍のリスクが、
そして、乳幼児突然死、先天異常(奇形)などの
危険性も高いということが分かっています。

妊婦さん本人が吸わなくても、
夫や家族が吸っていて受動喫煙にさらされていれば、
同じように危険性が増します。
ご家族への受動喫煙を気にされて
タバコを換気扇の下で吸っている方も多いと思います。
しかし、残念ながらこれはあまり有効な
受動喫煙の回避手段ではありません。

ニコチンの曝露(ばくろ)という点について考えてみます。

体内に入ったニコチンは一部コチニンという尿や唾液に
分泌される物質に変化します。
コチニンは食べ物や飲料水など天然には存在しないもので、
直接体内に入ってこないと存在ものです。
血中のニコチンの半減期は約2~3時間ですが、
コチニンの場合は約17時間ですから、
どれだけニコチンが体内に入ったかの指標になります。
非喫煙者の尿中のコチニン濃度の平均値を1とします。
喫煙形態と曝露スコアは以下の通りとなっています。

非喫煙:1
ドアを閉めて屋外:1.99
ドアを開けて屋外:2.39
台所の換気扇の下:3.23
不定:10.32
屋内:15.09

屋外で吸っても換気扇の下で吸っても、
受動喫煙の被害は、吸わない家族の2〜3倍ということになります。
また、煙草を吸った衣服で人と接すると30分は
受動喫煙させるともいいます。
吸わない人が吸った人と会うとニオイが気になるものです。
ニオイもタバコの成分ですから、
これを感じるってことは結局受動喫煙してるのと同じなんですよね。

それではみなさん、今日もマナーを守って大切な人とよい食事を!

参考学会、情報提供ホームページなど:
・日本禁煙学会: http://www.nosmoke55.jp
・洲本市禁煙支援センター:

http://www1.sumoto.gr.jp/shinryou/kituen/

・日本タバコフリー(タバコそのものが存在しない)学会 :

http://tobaccofree-adv.main.jp/

・無煙環境(子供に無煙環境を):
野上浩志@無煙環境(←これで検索して下さい。)
・禁煙ジャーナル: 一般社団法人タバコ問題情報センター
発行人・代表理事 渡辺文学
日本で唯一の禁煙に関しての新聞。毎月1回1日発行
電話:03-3222-6781
・禁煙推進学術ネットワーク:

http://tobacco-control-research-net.jp/

参加学会が個別に禁煙推進の活動を行いながら、
学会間で喫煙・禁煙に関する情報交換・情報共有を行い、
喫煙によって生ずる疾患と禁煙方法や禁煙治療薬などに関する
研究や、一般の方への喫煙の害・禁煙に関する知識の普及啓発、
受動喫煙防止のための社会的な禁煙推進活動などを協同して
行っています。

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”