本のご紹介:わが子を「メシが食える大人」に育てる

私が、前々から気になっていた
「花まる学習会」代表の高濱正伸さんの著書です。

これは、子どもが生まれた当時から考えていたことですが。
とにかく、「自分で稼げる」ようになってもらう。
男女の別はなく、私が子どもに求めることであり、
自分に課したミッションでもあります。

稼ぐ=お金、のように感じられるかもしれません。
半分はその通りであり、半分は違います。

私たちが生活するにあたり、通貨とモノの交換は
避けて通れないことです。
少なくとも、今日においては。

つまり、自分が必要である通貨という「道具」。
それを、自ら必要な分、手に入れる力。
そして余れば、適切な方法で社会に分配する力。
それを、子どもには体得してほしいのです。

言うなれば
「料理に必要だから、フライパンを手に入れよう。」
「勉強に必要だから、鉛筆を手に入れよう。」
と同じこと。

「生活に必要だから、お金を手に入れよう。」
これだけのことです。

そして、お隣さんにお醤油を貸すように、
学校で、隣の席の友だちに教科書を見せてあげるように。

適切な形で、お金という道具を世に流して欲しいのです。

私の長女が1歳になったくらいのことだったか。
芸能プロダクションの社長(名刺にそう書いてあった)から
スカウトを受けたことがありました。

子どものタレントスカウトは、
その「登録料」のみでビジネスモデルを完結させている会社も多く、
スカウトそれ自体は大したことではありません。

ただ、そこで私自身が気付いたことがありました。

「あ、仮に本当のスカウトだったとしても、
この子をタレントにしてはいけない。」
「どうせやらせるなら、この社長のカバン持ちをさせた方がよっぽど有意義だ。」
ということ。

つまりは、「自分自身が商品」になるビジネスではなく、
「商品を生み出し価値を創造できる仕事」をしてほしい。
そんな風に思ったのです。

話を本に戻します。
メシが食える大人に育てる。

具体的なことが適切な順序で書いてあるため、
イメージしやすい内容です。
中でも「うんうん」と納得したのは、下記。

・「国語力」
国語力の有無は、他の教科にも大きな影響を与える。
だって、人は「ことば」で物事を考え、
その内容をことばにするから。
「聞く力」「話す力」「読む力」「書く力」という分野は
親がきちんと理解し、育むことが必要。

・「自分なりの考え方」のできるような子にするために
人を傷つけたり下品な表現をした場合は別として。
「ちょっと変わったモノの言い方」をしたら、褒める。
「へー!面白いこというねー。」
と。
こういう積み重ねが、子どもをより育む。

・「やり尽くす感覚」を身体で覚えさせる
やり抜く意思力を育むために。
まずは「やり尽くす心地良さ」を身体で感じさせること。
そのためには、鬼ごっこやキャッチボール、サッカーなど、
身体を使った遊びを息が上がるまで遊び尽くす。
このためには、まずは父親が「本気」になることが重要。
そして、最後の方。
私が日頃から意識するようにしていることが書いてありました。

「勝ち癖」をつけること。

小さいことで良いんです。
とにかく、勝って終わらせること。

子どもも、大人も大事なことです。
「終わりよければ全てよし」と言い換えても良いです。

ちょっと長くなりましたが、最後にひとつ。

我が家で心がけている「小さな勝ち癖」の、具体的な事例をひとつ。

例えば、ちょっと大きめの滑り台の途中で
子どもが体勢を崩してしまい、着地に失敗。
身体を打って、大泣きした場合。

そこで帰るのは簡単なのですが、敢えてそうしません。

「痛かったね。大丈夫?」
ときちんと話を聞き、子どもを落ち着かせた後、
必ずもう一度、同じ滑り台を滑らせます。
その場合、大人と一緒でも良い。とにかく、もう一度、滑らせる。

で、きちんと着地させます。
「ね、本当は滑り台って楽しいよね。」

楽しい思い出をつくって、その場を去ります。

例外なく、これをやります。

プールでも。
勉強でも。
ピアノでも。

これが功を奏したか、
うちの子に「嫌いなモノ」はほとんどありません。

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

*私が2012年5月17日にFacebookに投稿した記事を、
加筆修正したものです。

 

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