子ども:滑り台

言葉の意味は単語それ自体だけでは確定できませんよね。
他の言葉との対比で意味が決まったり、
文脈の中で意味を帯びたりします。

「ネコではなくイヌを飼いたい」と
「あいつは警察のイヌだ」という文脈とでは
イヌの意味が全く異なります。
子どもの行動も同じようなことが言えるので
注意が必要だと思います。

あれは歯科医での待ち時間の出来事でした。
2歳くらいの男子が診察までの間、
滑り台のあるプレイルームで遊んでいましたが、
お母さんは携帯に夢中で様子をよく見ていない様子でした。

するとそこに同じ2歳くらいの女子が登場・・・。
それに気づいた男子、一瞬身体が固まって、女子に釘付け。
目を真ん丸にして、女子をジ~っと凝視。
女子の方はそんなことは知らずにマイペースで遊びを開始。
その一方で男子の方は俄然張り切り出す。
滑り台を豪快に滑り降りて女子の方を見る・・・。
また、階段を昇って滑り降り、
女子の方を見て「どうだ!」という顔・・・。
女子の方は無関心・・・。

私は笑いをこらえながらその光景をずっと見続けていました。

すると今度は男子、
何と、ゾウのぬいぐるみを滑り台の上から下の向かって投げつける!
どうだ、自信満々のご様子。
母は携帯に夢中なのか何も注意しません。
男子はさらに別のぬいぐるみを放り投げ、
「してやったり」という顔。
どんどんエスカレートして、さらにもう1つ投げつけ、
「やったぜ」という顔をしたところで、
母が気付き「物投げないの!」と一喝。
男子は困惑の表情をしていました。

同様の行動を1回目、2回目で注意しないで、
3回目で突然注意したので混乱したでしょう。
子どもの気持ちを翻訳するなら「なんで3回目で・・・?」
ということになるのではないでしょうか。

そして、単に「物を投げる」という行為だけでなく、
その「文脈」まで観察して声を掛けて欲しいものです。
なぜそういう行為に至ったのかまで
良く観察していただきたいですね。
自己をアピールしたいというと感情や行動自体は
全く健全なものなのですから。

 

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