燕の巣

中2の時の担任のY先生に「内申書を保証しない」
と脅されたものの、何とか第一志望の高校に入学できました。

しかし高校でも、
学校や先生のやり方には納得いかないことが多く、
何度かぶつかったものです。

高校時代の衝突の最たるものは「ツバメ救済運動」でしょうか。

昇降口の外側の天井にツバメが巣を作ったために
糞害が発生しました。
それまでやり過ごしていた学校側が3年生の時に
突如対策に乗り出したのです。
ワイヤーを張って巣作りを妨害し、
鳥もちを使ってツバメの捕獲を始めました。
鳥もちで動けなくなって落下したツバメを発見した時には
さすがに酷いと思い、何人かの有志で捕獲反対の署名運動を展開し、
校長室に直談判に行きました。

「鳥好きの生物の先生が転勤になったので
強硬策に転じたのではないか」
という憶測が飛んだことも、
学校当局への非難の声を大きくしました。

今思うと、単なる「反対」運動に留めず、
「通行の迷惑にならないところに巣箱を作る」などの
「対案」を提示し、
さらに「具体的な諸問題を教材として、
異議申し立ての方法などを学ぶ民主主義教育の機会、
あるいは、自然との共生の方法などを学ぶ
環境教育の機会に転換するのはいかがですか」
などと、大人の対応(まだ高校生ですが(笑))をすれば
良かったと思いますが、これもまた当時の知性・知識の中での
精一杯の異議申し立てだったと思います。

何度か校長室で交渉したものの、
明確な解決策を見いだせないまま、
ツバメの季節が終わり、私の高校生活も終わり、
浪人することになりました。

浪人時代のある日、高校3年間担任だったN先生から
1枚のハガキが届きました。
青春のエネルギーをもてあまし、
迷走していた私を暖かく見守ってくれたのがN先生でした。
「しっかりやっているか」という激励のハガキでしたが、
追伸の一文に涙ぐんだことを覚えております。

「追伸 ツバメ、今年は大丈夫です」

異議申し立てが実を結んだ少ない事例かも知れません。
(つづく)

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”