こんにちは。
今回は前回に引き続き乳歯列期の話です。
顎の前後的な話で「下顎が上顎よりも前に来ていないか」
という点です。
いわゆる「受け口」という状態です。
【成長期の受け口の欠点】
・下顎の前方成長を助長してしまう。
・口唇が閉じにくいので口の中が乾く。
結果として虫歯や歯肉炎の細菌の繁殖、
風邪などの菌やウィルスが体の中に入りやすくなる。
・咀嚼機能(噛む機能)が低いため、食べものの消化が悪い。
・歯の噛む面の噛み合わせが悪くなる。
その結果、虫歯になりやすい。
(歯には、上下の歯で噛み合わせることで
お互いを磨き合う自浄作用という機能がありますが、
それが作用しないため。)
・精神的、社会的にデメリットとなり得る。
などなど。
【原因】
遺伝的要因、
口腔内環境(口唇周囲の筋肉、舌の筋肉や位置、
片側での噛み癖、他)、
悪習癖(舌の突出癖、指しゃぶり、口呼吸、頬杖)
などなど。
顎の成長は、身長が伸びるのと同じような成長の仕方をします。
図では一般型に相当します。
下顎の成長のスパートは0〜3歳まで旺盛で、
それから一時期ゆるやかになり、
中学校に入学する辺りから18歳頃にかけて再びスパートが来ます。
現在では3歳頃から使用できる器具もあります。
簡単に着脱できるマウスピース型のムーシールド
(ロッキーマウンテン・モリタ製)という矯正装置です。
この装置は、歯の型を取ってオーダーメイドで作る
矯正器具と違い既製品ですが、口唇と舌の筋肉を使って、
上顎の前方成長と歯列弓の拡大をする器具です。
下顎の成長は遅くまで続くので、
後から始めた方がよいという先生と、
早めから始めた方が後々の治療が負担が少なくて済む
という考えの先生がいます。
状態や悪習癖の有無、骨格的なのか歯性の角度的な問題なのかでも、
開始時期は変わって来ます。
個人差があるので、詳しくは専門の先生にご相談ください。
それではみなさん、今日もよい食事を!
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