大学の教室に座る女生徒

「勉強しないと将来就職できないよ!」
「学歴が低いと、給料が高い職には就けない。」
「有名大学に入学したから、将来は安泰だ。」

生活の中で、この様な会話を耳にしたことが無い人は
恐らくいないでしょう。

私の塾でも、勉強に全く意識が向いて無い生徒に対して
「もし本当にやりたくないのなら、今じゃなくてもいいんだよ。」
と奨めても
「でも、勉強しないと就職が・・・。」
という返される展開も、ままあります。

小学生ですら「勉強」と「就職」の結び付きを感じている様です。

先に挙げたような文句は、さしずめ
「言う事を聞かない悪い子にはお化けが迎えに来る」
という教育的意義を持った怪談の如く、
どのご家庭でも、勉強を怠けてしまった子どもに対しての
お説教に使われているのでしょう。

しかし、この様に、まことしやかに囁かれている
「学歴神話」ですが、
内容には様々な疑問をはらみます。

良し悪しの観点での否定的な疑問というわけでは無く、
「勉強」と「労働」の関連性を考えても、
「直接的な共通点が多いか」と問われると
決してそうとも言えないのではないかと思うからです。

「勉強」も意識によっては、
非常に有効に「キャリア」に結びつく訓練になりうるのですが、
今回は「キャリア」に重点を置いた話なので
泣く泣く割愛させて頂きます。
(以前書いた記事で、学問をテーマにおいたものがあるので、
そちらに目を通して頂ければ嬉しいです。
http://lyceum-planta.com/?p=581 )

この様に、大人でもピンと来ない内容が子どもだったら尚更です。
大人であれば現実に直面した経験則で、
ある程度の納得がいくでしょうが子どもはそうはいきません。
頭では分かっているつもりで「勉強」と「就職」を
結びつけていますが、なかなか腹落ちする理由が見当たらない。
「大人(多くの場合は親や学校の先生)が言っているから」
という理由で納得したフリをせざるを得ないんですね。

それだけの説明だと、思春期の到来などで、
大人に対しての反抗心と不信感を抱くと同時に、
論理の前提にヒビが入り
「勉強する理由」もよく分からなくなってしまいます
(まぁ、多感な時期に勉強しなくなる理由はもちろん、
それだけでは無いでしょうが)。

次回からは、そんな「学歴社会」について
徒然なるままに私見を挟ませて頂きましょう。

それでは今日も良い一日を!

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