歯列矯正

今回は特に磨きにくい矯正器具の周囲を磨くための補助器具のお話です。
道具の種類が増えると歯みがきが大変になりますが、効率はぐっとあがります。

正しい道具を正しく使って、歯みがき名人になってください。

それではさっそく本題に入りましょう。

【矯正のブラケット周囲の清掃法】
歯並びを治す矯正治療の際に、多くの場合にニッケルチタンや
ステンレススチールの細いワイヤーを使って動かす方法で治療を行います。
ブラケット(=ブレース)と呼ばれる
歯に貼付ける装置にワイヤーを通して動かす方法です。

ブラケットは形態が複雑で汚れが付きやすく、
ワイヤーが通っている歯と歯の隙間に歯ブラシが非常に届きにくいのが欠点です。
このワイヤーの下も磨かないと、汚れが原因で歯肉が腫れてしまったり、
虫歯になってしまいます。
特に、口呼吸で口腔内が乾きやすい人の前歯であれば、
「白濁」という白くにごる初期虫歯になる可能背がグンとあがってしまいます。

では、どのように磨けばいいのでしょうか?
以下では、効率よく汚れを落とすことができる道具をご紹介します。

例1:ロッキーマウンテンモリタ オーソフロス

Fig_17

これは、ワイヤーを通したままでも
歯と歯の隙間にデンタルフロスを通せる優れものです。
「ホルダータイプ」と「フロスタイプ」の2種類の形態があります。
「ホルダータイプ」は、ワイヤーの下に柄の端から入れていくだけなので
とても簡単ですが、矯正治療の初期段階で装置と装置の隙間が小さい場合は
使用することができません。
「フロスタイプ」はワイヤーの下に差し込んで使用する
「糸通し」のような使い方をします。
ホルダータイプでも通せない細い隙間でも使用できます。

ご自身の歯並びの段階にあったものを歯科医院で指導してもらってください。
使用法は図を参照にしてください。

Fig_18

(下記のタフトブラシと併用すると効果的です。

例2:タフトブラシ
タフトブラシとは、ペンのような形態をした小さな歯ブラシのことです。

Fig_16

*画像はライオン EX onetuft systema
普通の歯ブラシでは磨けないワイヤーの下やブラケット周囲に使用してください。
歯と歯の隙間にはオーソフロスを併用するとより効果的です。

例3:SUNSTAR サンスター BUTLER GUM FLOSS THREADERS
これは、オーソフロスのように特殊なフロスを購入しなくても、
従来のデンタルフロスをそのまま使用できる糸通しです。

Fig_15

フロススレッダーに従来のフロスを通し、ワイヤーの下にくぐらせて使用します。
これ自体をフロスとして使うことはできませんが、
洗って使用すれば長く使えるので、コストパフォーマンスには優れている道具です。
オーソフロスに比べると手間がかかってしまうのが欠点です。

例4:ソートン スーパーフロス 3in1
これはブリッジやインプラントの周囲の清掃に用いるデンタルフロスです。
それだけ、清掃不良な部位に威力を発揮します。
歯と歯の隙間に差し込みやるいように、固い“糸通し”の部分、
少し太いけれど綿のようにやわらかいフィラメントの部分、
それと通常のフロスの3つの機能を兼ね備えた文字通り3in1なフロスです。
オーソフロス同様、ワイヤーの下に使用してください。

どのような清掃法でも、誤った使用方法ではブラケットが
外れてしまう原因になりますので、
必ず使用前に歯科医院で指導を受けるようにしてください。

それではみなさん、今日もよい食事を!

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