こんにちは。
今回は、以前に紹介したシーラントという
予防処置の注意点のお話です。
シーラントについてはリンク先を参照してください。
http://www.lyceum-planta.com/乳歯の虫歯予防-〜シーラント〜/

まずは簡単にシーラントにおさらいを。

歯の噛む面には咬合面溝(こうごうめんこう)
と呼ばれる溝があります。

これは上下の歯が緊密に噛むよう、
また、噛んだ食べものが効率よく流れるように存在します。
しかし、子供の生え立ての乳歯や永久歯は、
使い込んだ成人の歯に比べて、溝が深く汚れが溜まりやすいうえに、
酸にも弱いため、むし歯になりやすいのです。

そこで、
咬合面溝をシーラントというセメントで埋めることで、
汚れが着きにくくしてむし歯を防ぐという訳です。

シーラント手順

ただし、
しっかりと水気を排除して的確な手技で行わなければ、
せっかくの予防処置が、逆にむし歯の原因になってしまいます。

2枚目の写真は、
ボッテリと適当にシーラント材が乗っけてあるので、
そのせいで段差が生じて汚れが着きやすくなり、
むし歯になりかかっていました。

おそらく生えたてで、まだ歯肉が咬合面(咬む面)に
覆い被さっている状態で、無理矢理シーラントを
施した結果と思われます。
そのような環境下でシーラント処置をするためには、
相当な注意をする必要があります。

そのため、一般的には清掃不良にならないように、
歯磨きのための補助器具の説明や使い方をマスターしてもらい、
生えきってからシーラントをします。

不良シーラント(2)

不良シーラント(1)

下の写真は、シーラント材を歯に流す際に気泡が入り、
穴があいたまま固めたので、汚れが着きやすい環境になっています。
これは単純にテクニカルエラー(技術的な失敗)なので、
きちんと処置をしてもらえているかどうか
歯科医師に確認してもらってください。

処置した歯科医師や衛生士本人に聞きにくければ、
他院でセカンドオピニオンをするのも重要なことです。

不良シーラント(3)

せっかくの優れた予防処置も、
前述の不注意な失敗に寄って本末転倒どころか
「お金を払って悪化させられる」
という最悪な状況になってしまいます。

今日、自分や子供、大切な人の口の中で
何が起こって何をされたのか。
このことをしっかりと説明してくれる
歯科医師のいる診療室へ通うようにしてください。

それではみなさん、今日もよい食事を!

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