ドアから覗く女の子

今日は、栄養や食育から少し離れたお話・・・。

お子さんが何かいけない事をした時、
みなさんはどうしていますか?

注意する?
叱る?
自分で気づくまで見守る?
お子さんの年齢にもよると思いますが、
最後にお子さんに『ごめんなさい』を言わせる事はありませんか?

保育士をしていた時、私は1~2歳児を担当していました。
子ども達が喧嘩した時、何かいけない事をした後、
最後は決まって
『ごめんねは?』
と言ってオウム返しさせていたのを覚えています。
言葉を覚え始めの時期ですから、
まずは『ごめんね』という言葉を覚えていくように
声かけをしていたわけです。

話は変わります、
先日、夜中「大切な話がある」と言われ私は急いで
友人に会いにいきました。
すると予想外にも、ある指摘を受ける事になったのです。

「普段からあなたの~なところ、嫌だなって思ってたの。」
「・・・!?」

出会ってからの日は浅いものの、
過激な冗談をいい合えるほど仲のよい友人からの一言に、
私はかなりの衝撃を受けました。
大人になってから、こんなにも真っ正面から
自分を否定的に言われた事がなかった事と、
自分でも気づいていなかった部分を指摘された事で
私の頭の中は真っ白になっていました。

「あなたの事が大好きで、
この先も付き合っていきたいから言ったんだよ。
もしかしたら私と同じ思いの人がいるかもしれないじゃない。」
「・・・。ありがとう。」

大人なると、人に対して否定をすることって
滅多になくなりませんか?
思っていても、あえて伝えない。
相手も自分も傷つけたくないし、
その部分含めてその人という認識というか・・・。
だから、本当に感謝だなと思いました。

ただその時、私がすぐに言えなかった一言があります。

それは『ごめんなさい』という言葉。

友人が、普段の私の言動で傷ついていた事実を知らされたのに、
何故かすぐに謝れなかったんです。
例え、それが演技でも。

その日の帰り、私の真っ白になった頭の中に、
ふと浮かんだ事がありました。

今、自分が何か重大なトラブルに巻き込まれたとして、
私が信頼して相談できる人は10人いるかな・・・。
「・・・いる。」

今、誰かに何かをしてもらったとして、
私が素直に『ありがとう』を言える人は10人いるかな・・・。
「いる。」

じゃあ、素直に『ごめんなさい』を言える人は?
「・・・。」

これだけは、すぐに10人出てきませんでした。

自分の器の小ささを認識させられた日。
すごく気づきのある帰り道。

思い返してみると、小さな頃から苦手だったんです私。
『ごめんなさい』が。
そして実は、それは私の母も一緒。

私を育ててくれた母は自分にも他人にも、とても厳しい人でした。
私の母への印象は、何をやっても完璧な人。
芯のあるその姿は今も本当に尊敬しています。

そんな母から唯一聞いた事のない言葉、
それが『ごめんなさい』なのです。
良くも悪くも、母はプライドが高い人でした。
子どもは大人を見て育つ。

まだ私が幼稚園生の頃、
母にものすごく叱られた日がありました。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」

私は泣きながら何度も言いました。すると母が聞きました。

「何でごめんなさいなの?何がごめんなさいなの?
言ってごらんなさい。」

この時も頭が真っ白になった事を覚えています。
私が初めてごめんなさいの意味を知った日。

今まではずっと、
叱られる→嫌われたくない・見放されたくない・
この場を切り抜けたい→ごめんなさい
だったから。
謝る相手の気持ちになる事が出来て、初めて伝えられる言葉。
『ごめんなさい。』

あの日の母の言葉にとらわれているのか、
どうも私は未だに心の深いところで
相手の立場に一度立ってみないと
『ごめんなさい』を言えない節があります。
友人に呼び出された日もそうでした。

じゃあ、相手の気持ちに立ってみても、
なかなか言えない事があるのは・・・。
羞恥心?プライド?
大人なのに、そういうところはまるで小学3年生みたい・・・。
笑っちゃいますよね。

その後どうなったかというと、
友人にはちゃんと傷つけた事を謝り、
今も以前と変わらずよい関係を築いています。

みなさんは、お子さんの言う「ごめんなさい」の真意、
ちゃんと読み取れていますか?
ご自身は、素直に相手の気持ちを感じて
「ごめんなさい」が言えますか?
それが出来る相手は何人いますか?

あぁ、なんだか今回は私のおしゃべり発信になってしまいましたね。
久々に自分と正面から向き合う出来事だったので、
つい伝えたくなってしまったのです。
みなさんの中に、何か響くところがあれば幸いです。

いつも読んでいただきありがとうございます。

 

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