海の中の熱帯魚

こんにちは。
今回は欧米人と日本人の矯正治療の考え方の違いについてです。
といっても、歯医者サイドからの意見ではなく、
患者さんサイドの考え方の違いのお話ですね。

おなじみ、Wikipediaにはこのように書いてあります。
「アメリカでは幼少期の間に矯正治療を行うのが普通である。」

アメリカ人はとても健康についての意識が高い人が多いのです。
とはいえ、ファーストフードやとてつもなく甘いお菓子を、
ものすごく大量に食べて太っているのでは?
と想像する人もいるでしょう。

確かに一部ではそのような方も見受けられますが、
日本のショップチャンネルでも
健康器具のCMは大概がアメリカの製品ですよね。

ところで、アメリカでは定期的に歯医者さんで
メインテナンスを行っている人と
そうでない人の収入を調べた結果、
裕福な家庭の人ほどしっかりと通い、
そうでない家庭ほど悪くなってから歯医者にかかるという統計があります。
そういったことで、健康器具のターゲット層もやはり裕福な
『健康に対して意識の高い』家庭なのです。

国民の意識の高さは健康面だけではなく、
審美性(見た目の美しさ)にも反映されています。

「歯並びが悪いと相手に不快感を与える」といって、
乱れた歯並びを恥ずかしいと思う文化なのです。

日本では80年代アイドルのチャームポイントの代表と言っても過言ではない
「八重歯」も
欧米では「ヴァンパイアの歯だ!!」と言って忌み嫌われます。
そのため、子供のうちに矯正治療をさせてあげることが
親としての責任と思っている方が多いのです。

また、日本同様に保険が適用されない高額な治療なので、
それなりの収入がないとできない治療ですから、
わざと目立つ器具を選択して、
裕福な家庭であることを世間にアピールするという考えもあるようです。

例えば、ディズニーアニメの『ファインディング・ニモ』に出てくる
人間の女の子や、
ジョニーデップが主演で話題を呼んだ
『チャーリーとチョコレート工場』にも
印象的な「目立つ装置」が出てきます。

後者は少々映画の映像的に大げさな器具として描かれていますが、
ニモの女の子の方は日本でもポピュラーなヘッドギアという装置です。
(『矯正治療について(6)混合歯列期3〜上顎前突(出っ歯)編〜』参照)

また、大人になってから矯正治療をする場合には、
「自分で稼ぐことができるようになった」
いわゆる「アメリカンドリームを体現した」と言えます。
(少々おおげさですが)

そのため、ドラマの「アグリー・ベティー」のように大人の方でもカラフルに目立たせて、日本のように「なるべく目立たないように、、、」ではなく、逆にファッションとして楽しむ方が多いのです。

どうせ矯正治療をするなら少しでも楽しみに変換しちゃえ!って考え。
ステキだと思います。

本日の独り言:
「八重歯」が欧米で決し受け入れられない文化だと書きましたが、
文化が異なれば美的感覚も変わるのは当然なのです。
中国で幼少の頃から小さい靴を履いて足を小さくする「纏足(てんそく)」や
ミャンマーなどで首に輪っかを着けて長く成長させる「首長族」などと同じで、
八重歯も日本特有のチャームポイントと言えます。
歯科学的には清掃不良になりやすいので決して
「チャームポイント」として受け入れて欲しくないというのが本音です。
魅力的な子は歯並びに関わらずかわいらしいですから。

それではみなさん、今日もよい食事を!

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