廊下をワークスペースに

今回も以前、私の事務所で設計した住宅を通じて
「子どもが勉強したくなる住まいづくり事例」をご紹介します。

一般的に、階段を登って2階に上がると
各寝室(個室)につながる廊下がでてきますが、
私はこの廊下というものが大嫌いです。
家族が分断されている証(あかし)というか、
象徴のように感じてしまうからです。

この家では廊下幅を広げて、ワークスペースとしました。
ここでは、お父さんがパソコンをいじったり、
子ども達が宿題をしたり、本を読んだり、
お母さんがアイロン掛けしたり、
洗濯物を子ども達と一緒にたたんだりするスペースとなっています。
⇒ http://blog.livedoor.jp/ura410/archives/52823446.html

カウンター上の立ち上がり部分に小窓やスリットを設けて、
リビングの風景を2階から見下ろすことも可能です。
子ども達は常に、上から大人たちに見下ろされています。
そこで、逆に大人たちを見下ろせることで
新しいコミュニケーションを誘発しやすくなります。

そしてこのワークスペース空間の魅力を引き立たせるために、
ローコスト住宅ながらワークスペースは、
木の軸組で支えられているようにデザインしてあります。
⇒ http://blog.livedoor.jp/ura410/archives/52823475.html

これによってワークスペースを特別な空間として
潜在的に認識するように誘導し、
場としての貴重性を高めています
(住まい手にスペシャルな空間として
感じてもらいたいという意味です)。

現在も、この家に遊びに行くと、
子ども達が我が物顔でこのスペースを活用してくれています。

 

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