子ども:勉強

前回のコラムでは、僕の塾では「言い訳」をしたら「
成長のタイミングを逃す」というお話をしました。
そして、それが僕の塾で子どもを叱る4つのポイントの
外せない一つであると。
そこで今回は、その4つのポイントを紹介した上で、
「言い訳」と同様、絶対に外せないもう一つのポイントについて
触れたいと思います。

僕の授業を受けてくれている生徒に聞いて下されば分かりますが、
僕は基本的に間違えることに対しては怒らない。
それどころか、間違いを推奨しています。
授業や課題で何度も何度も履修した範囲については
当然ながら多少の例外もありますが、
「間違えてもできるまでやればいい」
というスタンスで指導している為、居残りを課したり、
課題を増やすだけで注意したり叱ったりはしません
(できるまで逃がさない点では鬼のように厳しいでしょうが(笑))。

それでは、僕が生徒に注意をしたり叱ったりする時は、
主にどういう状況なのか。
元々細かい注意はあまりしない方ですが、
今から挙げる4つに関しては、
実は気付いた度に必ず注意しています。

1. 言い訳をした時
2. 約束を破った時
3. 他人に対して思いやりを欠いた言動をした時
4. 間違えることを放棄した時

1. 〜 3. は、ご家庭や学校でも当然の如く
教育をなさっていると思いますし、
1. については先日触れたばかりですから、
今更僕が重要性を説く必要性は無いと思います。
今回はこの中の 4. についての話です。
ここまでお話しした上で、
なぜ僕が「間違えること」を推奨しているか考えてみて下さい。

もうお気づきですね。
僕がいつも「間違えろ」と言っているのは、
「間違えても構わないから、自分の頭でできる限り考えろ」
という意味で言っています。
誤解を恐れず言ってしまえば、
勉強や学問は「正解」することを
目的としているわけではないんです。

「正解」なんて人間が勝手に「正解」と思い込んでるだけで、
考える為の新しい要素(新たな発見など)が揃えば
真逆の方向に覆ることも非常に多いです。
極論を言ってしまえばこの世に「正解」が存在する場合の方が
少ないんではないでしょうか。

では、私たちは何の為に勉強するのでしょう。
「正解」が無いからこそ、
一つでも多くの可能性を見出だすべく「思考」するのです。
思考するからこそ、「挑戦」するからこそ間違える。
「間違い」とは「思考」と「挑戦」の産物であり
恥ずべきものでは決して無いと僕は思っています。

要するに、僕は「成長を阻害する姿勢」が垣間見えた時に
注意をしているということです。
元より成長させるのが職務ですので、
これをしなければ塾としては職務怠慢どころか、
職務放棄と言えるでしょう(笑)。

何か共感して頂けることがあれば、
是非お子様には間違いを推奨して伸び伸び楽しい学習環境を
創ってあげて下されば幸いです。
そして「間違えること」を恐れずに挑戦を続けることそのものが、
成長に不可欠なある能力を養う手段になるのですが、
それはまた別の機会に。

それでは、明日も良い1日を!

 

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”