カウンター越しに話す女性たち

いつもと趣向が変わりますが、最近の雑感を。

先週、近所の蕎麦屋に立ち寄った際、
あまりの衝撃に面喰いました。
カウンターに注意書きとして書かれていた言葉に
ある種の感動を覚えたからです。

その注意書きには、こう書かれていたのです。

『お手数ですが食べ終わった食器はカウンター上にお願いします』

何の変哲も無い、この注意書き。
蕎麦を食べながら深く考えさせられました。

先ほどの注意書きで皆さんは何かを感じられたでしょうか。

(ちなみに、今回のテーマで僕は文法体系の
些末な正誤を論じるつもりはありませんし、
正誤を論じるほど日本語に精通しておりません。)

パーツを分解してよくご覧下さい。

そうなんです。

なんと!この文章には!主語も述語も無いんです!

だって、「誰が」「何をする」が一切記載されていないんです。
「食べ終わった食器は」は「食べ終わった食器を」と
置き換えることができるので、
英語の文法解釈を行えば「目的語」ということになります。

そして「お手数ですが」が示す「人」の存在は
明記されていない(これは示す場合の方が少ないですが)。
しかも食器を「どうする」わけでもなく「カウンター上に」で締めている。

決して不快感を与えず
(文法の用法的な正誤に関して気になる方は別かもしれませんが)、
読めば確実に理解できる。
しかし、そこには主語も述語も存在しない。

これが英語でできるだろうか?と考えてしまったんですね。
(続く)

 

 

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”