絵を描く女の子

こんにちは。
今回から混合歯列期の矯正治療のお話です。

「混合歯列期」とは、
「乳歯」と「永久歯」の両方が存在している
歯並びの時期を言います。
個人差もありますが、だいたい6〜11歳頃です。

今回の話は、混合整列期に行う治療の概要です。

この時期の矯正治療は、
将来的にしっかりとした噛み合わせを構築するための、
土台作りの時期です。

乳歯と永久歯が混在した状態で全歯の歯並びをきれいにしても、
歯の生え変わりでまたガタガタした歯並びに
なってしまう可能性があります。
そのため、全歯をきれいな歯並びにする針金のワイヤー矯正治療は、
永久歯へ全て生え変わってから行うことになります。

とはいえ、6〜7歳で生え変わる中切歯と側切歯
(前から数えて1、2番目の左右計4本)がねじれていたり、
2番目の側切歯が内側に生えて、
下の歯と反対咬合(上下の前後的な噛み合わせが
逆になっている噛み合わせ)の場合などは、
2〜6ヶ月程の短い期間だけワイヤー矯正を行って、
部分的に改善したりすることはあります。

また、顎が小さくて歯列弓(歯並びのアーチ)が小さい場合、
歯の大きさと顎の大きさの不調和で、
歯並びはガタガタになってしまいます。
しかし、歯列弓の「側方拡大」を行って、
歯並び改善させるための隙間を作ることができます。

ただし、拡大の限界には個人差があるため、
必ずしも側方拡大で十分な隙間を確保することが
できない場合があります。
この場合は、抜歯をして隙間を確保する必要があります。

また、上顎の前方への成長は、10歳までで完了してしまいます。
そのため「受け口の子であれば上顎を前方へ引っ張る」
という前方成長促進、
「出っ歯ぎみの子であれば上顎を後方へ引っ張る」
という前方成長抑制の治療を
6〜10歳の間に行うのが理想的です。

成長期が終わってしまえば、
骨の前後的な位置の改善は骨切りの手術でしか
改善できなくなるからです。
下顎の成長は18〜20歳頃まであるため、
手術を行う場合は、その年齢まで待つ必要があります。

混合歯列期の治療の概要をざっと説明しましたが、
次回からはこれらを細かく解説します。

それではみなさん、今日もよい食事を!

 

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