泣く女の子

次女のKちゃんが6歳の頃。
けんじワールド(*編集部註:岩手県雫石町にある、スパリゾートハワイアンズに次ぐ規模を誇るウォーターアミューズメントパークの名前)に出かけた際のホテルでのできごと。
RちゃんとKちゃんとの会話が聞こえてきました。

R(長女)「Kちゃん、何やってるの~、だめだよ、そんなことしちゃ」
K(次女)「いいの、いいの、大丈夫なの!」

その頃Kちゃんは液体の鼻炎薬を使っていましたが、母親には「ちゃんと薬シュッシュしたよ」と言っておきながら、「にがい」のが嫌で「悪事」を思いついたのです。
ノズルを拭くフリをして、ハンカチに薬を染みこませ、薬を減量して少しでも「にがさ」から逃れようとしていたのです。

その会話を聞いた私は状況を把握し、「自分のためにウソをついた」と判断し、ナマハゲに変身することにしました。
「ナマハゲ→恐怖のどん底→反省の言葉→ギューと抱きしめる→父親の愛情実感」というシナリオの開始です!

私「K、ちょっと来なさい。ずるいことをするためにウソをついたな!コラ~ッ」

頭を叩くと脳細胞が死滅するので、叱る時は頬をつねるか、おしりペンペンですが、今回は前者にしました。
頬をつねりながら「ウソをついたのはこの口か!」

K「ひっえ~」
私「ちゃんと病気を治さなきゃダメでしょ、ずるいことしちゃダメでしょ!」
K「ひっひっ~」(しっかりびびってるからもういいかな…)
私「反省しなさい。ウソついてごめんなさいは?」
K「ひっひっ~ひ~」(あれ…完全に固まっている…)
私「ごめんなさいは…」(早く謝ってよ~あ~んかわいそう~)

涙目のKちゃんが不憫になりながらも、いきなり軟弱ナマハゲになる訳にもいかず、心の中で「早く謝って~」と叫びながら、顔は恐い顔をし続けていたのです。
しかし、Kちゃんは恐怖で硬直状態…。

その後、やっと「ごめんなさ~い(涙)」と言えたKちゃんを抱きしめながら、私も(あ~ん痛かっただろう…)と心の中で泣いていました…。
子育てとはなかなかシナリオ通りには行かないものです…。

私はナマハゲにはなり切れないなあ…。

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”