歯科医のアイコン

こんにちは。
晴れていたと思ったら急に雨が降ってきて、
コンビニで傘を買ったらまた晴れた・・・
という経験をした人もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみに僕の経験談です(笑)
そんな季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は医療面接についてのお話です。
医療面接というと難しそうに聞こえますが、
患者さんとお話をすることを専門用語でこう呼びます。

「どこがお困りですか?」
「いつからですか?」
「痛みはありますか?」

そんな問診の会話も立派な医療面接です。

この医療面接にはいくつかテクニックがあり、
大学でもそのことにはしっかり授業を行います。
では、どんなテクニックがあるのでしょうか?

1. 座る位置

まず、座る位置ですが、
L字に座る90度の位置が好ましいです。
四角い机の角を挟んで隣と言えばわかりやすいでしょうか。
正面を向き合って会話をするのは
とても礼儀正しいことのように見えますが、
正面からじっと顔を見つめ続けながら会話をするのは
初対面ではなかなか緊張するものです。
また、誰しもがプライベートエリア
(*パーソナルスペース、パーソナルエリアと同義)
と呼ばれる「他人に侵略されたくない空間」を持っています。
これは個人差もありますが、
正面に大きく、側方に狭いのです。

満員電車を想像してください。
正面向きで近くに立たれると非常に狭く感じますが、
横にいる人は正面向きの相手と比べると、
さほど狭さを感じません。それと同じです。
そのため、やや横にいた方が狭さを感じずに
近い位置に座ってお話をじっくり聞くことが出来ます。
そういった理由で、90度横に座るのが好ましいです。

2. 相手の顎を見て話す

じっと目を見つめられたらどんな気分でしょうか。
もしそれが、あなたの意中の人ならば、
心がワクワクしてしまうかもしれませんね。
しかし、そこまで相手をよく知らない状況下で
目をジッと見つめられると、
見られた方はどこを見ていいのか困ってしまいます。
そこで、相手の顎を見ながら話すことが推奨されます。
しかし、目を見て話さない人は信用されないので、
顎だけを見続けて話すのではなく、
7~8割は顎を、2~3割は目を見て話すこと。
これによって、患者さんは緊張することなく
「しっかり目を見て話してくれている」
と感じて信頼関係を築くことができます。

3. なるべくゆっくり低い声で

せかせか早口で話す人は落ち着きが無く、
信用を得ることが難しくなります。
ゆっくり聞き取りやすく話すことで、
患者さんの理解を促すことができます。
また、低い声は耳から入りやすく、
人を落ち着かせる効果があります。
大切な話ほど、ゆっくり低めの声で
丁寧にお話することが重要なのです。

まだまだたくさんあるのですが、
実は歯医者さんはこの様なテクニックをベースとして身につけ、
日々わかりやすく説明できるように精進しているのです。

【その他のトリビア】

座る位置についての追加です。
営業職の人が自身の売りたい商品を
紹介する場合はどの位置がいいかというと、
正面向きに座って相手との位置の真ん中に提示するといいそうです。
プライベートエリアは脳内でお互いの距離の真ん中に
設定されやすいのです。
そのため、名刺を渡すときやビラ配りでも
相手との距離の真ん中辺りだと違和感無く受け取ることが出来ます。
また、そうすることで相手よりも商品に集中することができるので、
効率よくベネフィットを伝えることが可能となります。

恋人や意中の人に近づきたい。
けど近寄りすぎると嫌われるかも・・・。
そんな時はどうするか。
前述した通り、プライベートエリアは横に狭いのです。
逆に言うと、横に人がいても圧迫感を感じにくいのです。
そのため、そんな時はカウンターで隣に座ることが推奨されます。
手が触れ合っても自然なこととして
受け入れてもらいやすくなります。

また、恋文を渡す際も横から近づいて
自分たちの距離の真ん中に差し出すと
受け取ってもらいやすくなります。
決して正面からずんずん近づいて、
プライベートエリア内に侵入しながら渡すのは駄目ですよ!
せっかく相手から「いいな」って思ってもらっていても、
受け取ってもらえないかも!?

それではみなさん、今日もよい食事を!

 

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