時間割

小学校3年生の冬、
スキーで右脚を骨折してしまいました。
治療・ギプス処理のために入院しましたが、
間もなく退院して自宅で1ヵ月ほど療養することになり、
その間、小学校をお休みすることになりました。

「学校を休んだとしても勉強は休みでは無い」
などと父親が言ったからだと思いますが、
自宅学習をきちんと進めるために
「時間割」を作ろうと思い立ちました。
「体育」を他の科目に置き換えた以外は、
通常の学校で使用している時間割に準じたものでしたが、
「時間割」に従って、
学校と同じサイクルで生活しようと思ったのです。

考えてみると、
人間が行動する際に「時間割」などで時間を区切り、
タイムスケジュールに従って行動するというのは、
幼稚園や学校に通っているから
当たり前になっていますが、
人間の生活にとって
必ずしも普遍的なことでは無いでしょう。

江戸時代まで多くの日本人が
従事していたのは農林水産業ですから、
日の出・日の入の自然のサイクルや天候など
自然の条件に従うとしても、
細かく決められたタイムスケジュールに
従っていた訳ではありません。
仕事の切りの良いところなどで
「そろそろ昼にしようか・・・。」
という感じだったと想像できます。

明治時代以降、
日本も本格的に工業化が進みますから、
時間で行動を管理しなければ
仕事が立ちゆかなくなりました。
人々は学校制度を通じて、
時間に従って行動することを身につけ、
そのような社会に対応できるように
なっていったのだと考えられます。

しかし、
私たちは時間に従って行動するという
「社会の現実」の一方で、
休日などの時間的制約の無い時に
時間に従って勤勉に行動するのが
いかに大変であるかという
「個人的な現実」も知っています(笑)

「時間に従って勤勉に行動する」という、
「案外大変なこと」を多くの人が
自然にこなせるようになっているのは、
長い学校生活の賜物ではないかと改めて感じます。

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”