お菓子:チョコレート

結婚前の妻が休日出勤だったので、
Rちゃんを預かり動物園や科学館に行くことがありました。

妻からは
「ちゃんとリュックサックの中におやつを入れておいたので、
『あれ買ってこれ買って』の要求に応じないで欲しい、
Rにもおやつはリュックの中だから、
おねだりしないように言ってあるから」
と釘を刺されました。

「これから父親になるのだから、
きちんとしつけもしなければならない。
甘い顔ばかりはできないぞ」
と心に誓い、毅然とした態度を取らねばならないと
随分と気負っておりました。

Rちゃんの方はといえば、
母親ではなく「おじちゃん」だから、
何か買ってもらえるのでは無いかと期待しているかのようでした。
そこは大人と子どものある意味で駆け引きです(笑)

動物園で動物を見てひとしきり楽しみ、
出口のところへ向かうと売店がありました。
動物園としては
「ここでさらにお金を落として行って下さい」
というところでしょう。
中を見たいというRちゃんのリクエストに応え
「見るだけだよ」と釘を刺した上で見学させました。

ところが、食べ物が並んでいるのを見て
やっぱり欲しくなったようで
「買ってえ~買ってえ~」の攻撃が始まりました。
私は「お母さんと約束したでしょ、ダメだよ」
と説明したものの「買ってえ~」攻撃はやみません。
「どうして買ってくれないの~お」ときたものだから
「リュックにおやつ入ってるでしょ!」と答えると、
「・・・あ、しょっか~」と、合点した顔をし、
だだをこねるのをピタリとやめ、
嬉しそうにリュックのおやつを取りだしたではないですか・・・。

それはとてもショッキングな光景でした…
(確信犯[*1 ]だったのでは無かったのか・・・、
おやつがあることを「本当に」忘れていたんだ…)
ニコニコしながらリュックから出したおやつを
食べているRちゃんを眺めながら、
(子どもは大人が考えるのと別の原理で動いている・・・)
と痛感したのでした(笑)

*1 【編集部註】
ここでの「確信犯」は、
「悪いことだとわかっていながら行われた行為。」
の意で用いられています。
従来、この用い方は誤用とされていました。
しかしながら、2002年に文化庁が行った世論調査において、
半数以上の人がこの意味として使っていることがわかりました。
現在では、この使い方も辞書に掲載されています。
言葉の意味も、時代と共に変わっていく典型ですね。

 

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