英語学習をする生徒

さて、今回からは塾が「カリキュラムをどのように考えているのか」、
切り込んでいきたいと思います。

塾に来るお子様の多くは「合格」という
「成果ベース」の目標を設定していることが殆どです。
そこから学力に応じてカリキュラムを設定していきます。

具体的な学力と目標の学校を指示して
仮想カリキュラムを設定することも可能ですが、
様々なケースがあるため、
今回の目標を下記のように設定しましょう。

英語に全く触れたことの無い小学校4年生を
1年以内に英検3級に合格させる

さて、具体的に何から始めるべきか。

まずは「情報集め」からですね。
塾のメリットとしては長年蓄積された経験から
情報が既に備わっている部分が挙げられますが、
あえてどういう情報を収集するべきかという側面からも
お話しましょう。

まず、英検3級では必要語彙数が2100語と設定されています。
そして、中学卒業程度の文法内容及び読解力が必要とされます。
そして合格の為には出題傾向に即した学習が必要になりますね。
出題傾向については出来うる限り過去問を研究し、
それに即した練習問題を作成します。

誤解を恐れずに言えば正直、
僕はこの「出題傾向に即した学習」はあまり好きではありません。

もちろん、生徒の要望として「合格」を目標にするわけなので、
手は抜きませんし、妥協せずに過去問研究には取り組みますが、
合格する為の勉強が本質なのかと問われると
僕自身の答えでは「ノー」です。

学習の動機づけや成長するのに
「受験」は非常に有効なツールとは思っていますが・・・。

長くなりそうなので、これについてはいつか触れたいと思います。さて、先ほどの情報から抽出した必要事項は下記の3つですね。

(1)語彙数を可能な限り2100語に引き上げる
(2)中学卒業程度の英文法を学習する
(3)演習問題を解き過去問に慣れる

相当量の学習が必要に見えます。
単純計算しても、単語は1ヶ月あたり約175語覚えるわけです。
しかし、じつはこれ日数計算をすると
1日あたり約6語で済むわけです。

こう考えると現実的ではないでしょうか。

また、「中学卒業程度の英文法を学習する」
という目標に対して考えてみましょう。

中学卒業まで3年間あるのに、1年で学習できるはずがない!
というのが通常の見解です。

しかし、中学校の3年間には「部活」や「定期試験の勉強」
なども含まれます。
英語ばかり3年間勉強して過ごすわけではありません。

1コマ50分の週4回だと想定し、
夏休みや春休みを抜いた10ヶ月を3年間勉強するとすれば、
50分×4回×4週×10ヶ月×3年÷60分=400時間
となり、400時間の学習で修了する計算になります。

これを単純計算すると1日あたり1.111…時間、
つまり1時間10分程度の学習が可能であれば
時間的には達成できそうです
(僕の塾では実際にはこんなに掛かりません)。

まずはこうやって物理的に可能か否かを精査するところから
始めていき、スケジュールを組んでいきます。

なんだか実現できそうですね!

次回からは(1)(2)(3)について
「より効率の良いカリキュラム設定」を行い
より実現可能性を高めていきます。

それでは今日も良い一日を!

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”