面接風景

学歴社会について考えるに至って、
まずは大人が口をそろえて「勉強」と「就職」を
結びつけて説明する理由を考えてみましょう。

これは御存じの通り、
企業(特に有名企業や大企業)が志望者の「出身校」を
「新入社員を選定する基準の一つ」として捉えている
という風潮が、暗黙の了解の域に達しているからですね。

そしてこの風潮は、
企業自身が公言する必要はもう既に無く、
社会に浸透した「常識」として
「人の迷惑になってはならない」という様な
「常識的訓示」と同等のレベルで各家庭で教育されていきます。

そして実際にこの「常識」は、
現状の就職活動の「一つの真実」として、
アプリカント(応募者)の前に
実際につきつけられることになります。
漠然とした「常識」が、具体的「事実」となる瞬間です。

「医師」「看護師」「薬剤師」や「弁護士」「建築家」など、
高度な専門性を要する職業に就きたい場合は
納得がいきやすいですが、
現在の社会では「飲食店のマネージャー」をやるにも
「営業」をやるにも「ホテルマン」になるにも
「学歴」が必要なところが多いようです。

「笑顔」と「人脈」、
それから「気の利いたセールストークとサービス」を武器に
お客様の「ありがとう」をもらって商売をする職業にも
「学歴」が必要となるんですね。

ちなみにそういった技術は、
あまり大学では教えてもらえません(笑)。

それでも就職活動のエントリーシートには、
一部の例外を除き「大学名」を記載する欄が掲載されています。

ここで初めて「現実」を突き付けられた学生が、

「もっと勉強しておけばよかった」

とこぼしているのを聞くのも枚挙にいとまがありません。

大人は、これを経験則上に理解しても、
子どもにはそれでは伝わらないという好例(?)でしょう。

こういった選定方法が良いのか悪いのか、
実際のところを調べることは非常に難しいので
言及致しかねますが(理由は後述)、
ひとまず次回からは企業の「学歴社会」の歴史にも触れつつ、
現代でもその傾向が残る理由を紐解いてみましょう。

それでは、今日も良い1日を!

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