信頼し合う、人と馬。

「信頼残高」という考え方があります。

信頼は、預金と同じ。
増えもし減りもするという、ある意味、当たり前の話。

この部分、理解していると、行動に大きな変化が表れます。

例えば。
会社内でも良いですし、地域団体でも良いです。
新しい役職や任務をを受けることが決まった人のこと。
想像してみてください。

就任が内定し、その途端に、
周りにニコニコ接する人がいます。

こういう人に対して、2通りの見方が出てきます。

・お、役職が決まって、急に愛想を振りまき始めたぞ。
変な感じだなあ。
・お、役職が決まって、やる気に満ちているな。頑張れ。

私の経験上、こういう人で、
後者の解釈をされる人はあまりいない気がします。
役職決定によってキャラが変わる人は、
信頼は「残高」である、ということを知らない。
信頼が「役職」にくっついてくると思っているから。

さて。
これって、あることに当てはめることができます。

そう「親」です。

「親」というだけで子どもに信頼されるのは。
ある一定の年齢までです。

子どもも、ある年齢に達すると、
ただ「親」というだけで親を信頼しません。
変な話ですが、私の、自分の父に対する信頼残高は、
かなり早い段階でマイナスになっていました。

こういう話を聞いたことがあります。

問「子どもが嘘をつき始めるのは、いつからですか?」
答「親が、子どもに対して嘘をついた日からです。」

信頼残高は、高い状態だと、
預金と同じく複利を用いて、より高い場所を目指せます。
一方、信頼残高をこれから積み上げていこうという際には、
複利は利用できません。
着実な努力が必要です。

そして、言えること。

信頼残高。
預金と同じで、何かの失敗で突然、
破産に近い状況になることがある一方。
お金と違って、「宝くじが当たった!」
ということが起き得ないのが、信頼残高です。

子どもからの信頼を得る、ということ。
前よりも少しだけ強く、意識して生活してみると。
また違った面が見えてくるかもしれません。

 

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”