自分の子どもに、
「何で理科なんて勉強するの?将来、何の役に立つの?」
と問われたとき、何て答えますか??

私は、ひとつの答えを持っています。
そして、ある人物の言葉に出会い、その思いを強固にしました。
その人物とは、ノーベル経済学賞を受賞した
アマルティア・センです。

「貧困とは、将来の選択肢が少ないこと。」

「インドはなぜ貧しいのか」という疑問から、
経済学者となる決心をしたと言われる人物です。
1994年、アメリカ経済学会会長。
ベンガルで生まれ、幼少期に200万人を超える餓死者を出した1943年、
彼は「ベンガル大飢饉」で自身が通学する小学校に
飢餓で狂った人が入り込み、深い衝撃を受けます。
同じ頃、ヒンズー教徒とイスラム教徒の激しい抗争で、
多数の死者が出た様も目の当たりにもしています。

彼の言葉は、非常に重い。

「人は、(1)どのような状態でいられるか(being)と、
(2)どのようなことができるか(doing)の集合体。
その選択の幅が狭いほど、人は貧しい。
広げるためには、教育と健康であることが大切。」

つまりは、人は多くの選択肢を持つほどに
豊かになる可能性を秘めるということ。
この言葉を基に考えると、子どもに学習への問いに、
自ずと答えがでるのではないでしょうか。

算数なんて何のために習うの?
ミトコンドリアの構造とか、自分の人生に何の関係があるの?
相対性理論とか意味がわからないんだけど、これ、何か意味あるの?

現時点での私の答え。

「それは、君の役には立たないかもしれない。
でも、君が何か夢を持ったとき、その手助けになるかもしれない。」

それくらいでいいし、教育とは、そういうものだと思うのです。

子どもの選択肢を増やすために、親に、大人に何ができるのか。
真剣に考える時間を持つことも、大切なことだと感じます。

今日も、素敵な1日を!

*私が2012年6月17日にFacebookに投稿した記事を、加筆修正したものです。

 

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