ワインを選ぶ

聴覚のハンディを克服すべく、
視覚・触覚・味覚・嗅覚を最大限に刺激して
「フランスの農業」を教える・・・。
思案の結果、フランスの農業をイメージできる
「現物」を直接見せようと考えたのです。

給食で食べているモノとはまるで違う、
「固い」フランスパン、
「香りや味の濃い」チーズなどを
直接味わわせる・・・。

そこから原料の「小麦、牛乳」の話、
さらに「農業・酪農」の話に展開する。
でも、フランスと言ったら
やっぱりワインとブドウでしょう・・・。
しかし、いくらなんでも「酒」を
教室に持ち込むのはマズイかなあ?

あれこれ思案したのですが、
今までの悪戦苦闘を間近で
見守って下さっていた指導教諭に、
趣旨と授業展開の案を話して相談してみました。

私:「さすがにワインはまずいですかねえ・・・、
香りを嗅がせるだけでいいんですが・・・」
教諭:「なめさせちゃっても構いません。」
私:「ええ~、い、いいんですか。わかりました。
この路線で進めます。」

なめさせるかはさておき、
お酒を教室に持ち込むことのお墨付きを頂いたので、
授業展開構想は一気に進みました。
授業冒頭の「つかみ」のために
3種のお酒と原料を準備し、

『さて、この日本酒、原料は何でしょう?
布を取って、ジャーン「お米」です。
次のお酒。バーボンウィスキーというのですが、
原料は? ジャーン「とうもろこし」です。
(ここで相当驚くことを期待)
そして最後に今日のテーマのワイン。
原料は? ジャーン「ブドウ」です。』

というクイズから始め、
ワイン、パン、チーズなどが特産品であり、
それを支えるブドウ・小麦栽培、
酪農がさかんであることや気候との関係、
高い自給率などについて話を展開します。

水曜日に「産業革命」で撃沈し、
その日の夜から必死に考え、
木曜日に先生に相談し、
放課後に必要なモノを買い揃えにスーパーに走り、
金曜日に本番の授業ですから、
本当に「落ち込んでいる暇など無い」状況でした。

さていよいよ本番。
うまくいくでしょうか・・・。

 

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