罪悪感と、後悔。

私が入学した頃の宮城教育大学は、
A類(初等教育)B類(中等教育)C類(特殊教育)
などに分かれていました。

私はB類の中学校社会科を希望していたのですが、
共通一次試験で点数が足りず、C類を受験することにし、
何とか滑り込みました。

C類では特殊教育の教員免許を取得すべく勉強するのですが、
教科を教えるためには、小学校や中学校の免許も必要です。

よって、私の場合は、中学校・高校の社会科の免許に
プラス特殊教育の免許(私は聾〔ろう〕学校を選択)
を取得するということになりました。
特殊教育関連の授業はC類の学生と、
中学校社会科関連の授業は
B類の学生と一緒に授業を受けるのです。

C類には当初から特殊教育を志していた人と、
私のような「事情」の人がいて、後者の学生は、
前者に学生に対して「負い目」を感じるところがありました。

私もその1人で、何となく居心地が悪いものでした。
それでも、特殊教育を選択したのだからと覚悟を決め、
入学早々、同級生の誘いで、障碍者施設に見学に行きました。
まずはどういう世界なのか知ろうと思ったのです。

しかし、予備知識も無く行ったのが悪かったかも知れません。
奇声を発し、私の背中をバシバシひっぱたきながら
歓迎してくれた施設の子どもの様子にびっくりしてしまったのです。
重度の障碍者と会ったことの無かった世間知らずの私は、
どう対応すれば良いのかわからなくなり、
頭が真っ白になってしまいました。

そしてその後、ひどい自己嫌悪に陥りました。
「障碍〔しょうがい〕者に驚き、
その場から逃げ出したいと思ったこと」
に対して強い罪悪感を覚えてしまったのです。
今になって思えば「慣れ」の問題なのでしょうが、
周りの人達が自然に接している様子と比べ、
自分には特殊教育に従事する資質が無いと思ってしまったのです。

結果、一般校の中学校社会科の先生に
進むつもりで勉強することになりますが、
そういう気持ちで特殊教育の勉強をするのは
大変辛いものでした。
大学入学直後のいきなりの挫折でした。

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