親子:会話

季節も変わり、冬の到来を感じさせる季節になって参りました。
寒さが苦手な僕は、今から身構えてしまいますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。

前回のコラムでは、語学は「目的」では無く、「手段」であり、
多種多様な言語を習得することは
「色々な色のペンをもつこと」に過ぎず、
語学の本質は「他者(相手)を想定した会話のトレーニング」
であるというお話を致しました。
そして、この機会を利用して、
本質を最大限に活用する為に習慣にして欲しいことがあると。

さて、それはどんなことでしょうか。
本稿から読み始めて下さった方も、是非考えてみて下さい。

それでは、僕なりの答えです。

まずはファーストステップから。

語学教室から帰って来たお子様に
「外国語でお話ができるようになったら、
外国の人に何を聞きたいか」
を必ず聞いて下さい。

これ、本当に単純なことですが、
上手に活用するとお子様との会話の幅がグーっと広がって、
好奇心の枝葉にぐんぐん栄養を与える機会なんです。
先週から何度もお伝えしているとおり外国語を話すという行為は
「完全に相手を想定している行為」なんですね。
しかも相手は外国人。自分が知らないことの宝庫です。
本当はご両親が、お子様にとって知らないことを伝えてくれる
一番の知識の宝庫なんですが、
子どもにはなかなか気づきにくいのが現状です(笑)。

そもそも子どもは自分が何を知りたいか、
考えて質問を創る機会に恵まれていません
(突発的に出てくる疑問は数えきれないほどあるんですけどね)。
そこで、彼らが想定しうる絶対的な他者である
「外国の人」を活用しちゃいましょう。
子どもにとって何を知りたいのか、
自ら「質問」を考える機会になるはずです。
そうなると相手に「目的」を持って質問する
非常に貴重な仮想体験を味わう事ができるんです。

始めは「その国どこにあるの?」とか
「どんなおもちゃを使ってるの?」という
単純な質問から始まるとは思いますが、
その会話を拾っていけば、例えば「暑い」「寒い」という
「気候」の話に変化して、「寒い」のは「なんで」なのか。
「地球の上のほうにある(緯度が高い)からだよ」と。
じゃあ「なんで地球の上の方にあると寒いの?」
「上の方はお日様があたる時間が短いんだよ。
そういえば地球って傾いてるんだよ」
「え?地球って傾いてるの?」
「滑って落ちちゃうじゃん!」
「ね〜。なんで落ちないのか今度調べてみよっか!」
などと、日常生活から飛びにくい様々な興味に
枝葉を移しやすいという副産物的なメリットも含んでいるんです。

正直、上述の例では、日本での生活でも
「なんで?」が生まれる可能性があるので
最上の例とは言いがたいですが、
「違う気候や違う考え方、違う文化に住んでいる人が
実際に存在する」という認識を得るとてもいい機会に
なることは実際にお子様とお話してもらえれば
十分過ぎるほど分かって頂けると思います。

ちょっと長くなりましたが、今日はこの辺りで。

今回はファーストステップでしたが、
いつかセカンドステップの下りも触れる予定です。

まぁお察しの通り今度は「何を伝えるか」なんですけどね(笑)。
ただ、この「伝える」という行為も、相手が外国人というだけで、
「相手が知らないと思われること」を探して伝える作業の
練習になるので、自分の周りの環境や自分の国について
考えなおす為のエッセンスが沢山つまっています。
また機会があれば、世界の国々を利用して「地理」や「理科」の
興味を持ってもらう具体的な会話の導入や、
教務法についても触れていけたらと思っていますので、
楽しみにしていて下さい。

「こんな考え方もあるんだ〜」
と、皆さんに少しでも発見があったなら幸いです。
それでは、今週もご清聴(笑)ありがとうございました。

明日も良い1日を!

 

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